東京女子大学 人文学科 英語文学文化専攻

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読書リレー 第5回 Me Before You

  

今回紹介する作品はJojo MoyesのMe Before you (翻訳『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日 (集英社文庫) 』)です。この作品は2012年に発表された後世界40か国以上で翻訳され、ベストセラーとなりました。もしも事故で身体が全く動かなくなってしまったら…私は今まで考えたこともありませんでした。読み終わった時、ふっと生きる意味とは何かを考えさせられました。尊厳死がテーマということで暗いイメージが湧くかもしれませんが、主人公の明るく前向きに一生懸命に生きる様子から力強さや暖かさも感じられます。

あらすじを簡単に紹介しますと、カフェのアルバイトをクビになった主人公ルイーザが、事故で四肢麻痺になってしまったウィルの介護のアルバイトを半年間という期間限定で始めます。ウィルは四肢麻痺の生活に絶望し、自殺未遂を繰り返して心を閉ざしていました。そこで、ルイーザはウィルに生きる希望を持ってもらうために外食や旅行を提案します。日常生活やお出かけを通して喧嘩していた二人の距離が縮まっていきますが…といった流れです。

登場人物たちの抱えている問題がリアルで、より物語に惹きつけられました。会話にジョークがしばしばあり、登場人物の行動が丁寧に描写されているので、まるで海外ドラマを見ているかのようにすいすいと読み進めることができると思います。また、展開がありきたりでないことにも好感が持てました。ラストでは、自然と涙が溢れ出ること間違いなしです!2016年に『世界一嫌いなあなたに』というタイトルで映画化されているので、そちらも是非チェックしてみて下さい。

 (Naoko Matsumoto)

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