東京女子大学 現代教養学部 国際英語学科 国際英語専攻

ゼミ紹介

イングリッシュ・スタディーズ・コース

◆❝Cultural Studies❞ Seminar (Advisor: Professor Andrew Houwen)

In the Cultural Studies Seminar, we study a methodology of analyzing popular culture from texts with basic theories or concepts of Cultural Studies. I chose this seminar because I have an interest in understanding how the common senses or stereotypes are formed in a specific cultural area and how the representations that lead to them are provided in our societies. Specifically, I was interested in popular culture such as movies, music, and folklore. This Seminar deals with the basic concepts of Cultural Studies and focuses on some examples related to them. We studied the theory of Orientalism and analyzed the film Madame Butterfly by drawing on Said’s Orientalism in this semester. Next semester, we will focus on gender and study the representation of women in the media. It was quite difficult to understand the concepts of Cultural Studies at first, but this could be understood thorough discussions with Seminar students. The texts we study are very enjoyable and the topics and media to analyze are various in the field of Cultural Studies. If you are interested in analyzing many modern cultural products or the formation of stereotypes, this seminar would be suitable. Also, this Seminar is all taught in English, so it is a great opportunity to practice and improve your English and gain confidence in it.(Kako Sugiyama)

◆「アメリカ文学」ゼミ(担当:篠目清美先生・本合陽先生)

アメリカ文学ゼミは、アメリカを題材とする文学を中心に、映画や写真など様々な文化テクストの読み方、論じ方を学ぶゼミです。私はアメリカ留学の経験から、アメリカ文化に興味を持ちました。さらに、文学だけでなく映画にも興味があったため、私のやりたいこと全てができると思い、アメリカ文学ゼミを選びました。このゼミには、アメリカ文学や文化に興味のある学生、教職を取っている学生等が所属しています。ゼミでは、事前に配布される資料に取り組み、グループ内でハンドアウトを作成し、提出します。授業の最初でハンドアウトに基づき、各グループが全体に向けて共有します。さらにグループで議論し、テクストを読み込んでいきます。2年間のゼミでテクストを様々な視点から論じることのできるスキルを身につけ、卒論ではアダプテーション研究をしたいと考えています。このゼミでは、グループメンバーと教授と積極的に意見を交わし、テクストへの理解を深めていきます。その議論の中で新たな発見をする楽しさがあります。(深井彩花)

◆ 「イギリス文学」ゼミ(担当:溝口昭子先生・吉野由起先生)

イギリス文学ゼミでは、イギリス文学と英国の植民地政策による世界への影響を切り離してイ考えることはできないという視点から、さまざまな作品を扱います。前期は英国人作家Doris Lessingの短編"Flight" 、南アの作家Nadine Gordimerの短編"City Lovers"、そして豪州出身の P. L. Traversの英国児童文学Mary Poppinsを読んでいます。文学へのアプローチの方法は様々で、ポストコロニアリズム批評、マルクス主義批評、フェミニズム批評といった多角的な視点から作品に込められたメッセージについて考察していきます。新型コロナウイルスの影響によりオンラインでの授業が多いのですが、それを逆手にとって授業に南アフリカのプレトリア大学の学生や職員の方をZoomで招き“City Lovers”とその映画版がもたらした影響について私たちが発表し、その後のdiscussionでは南アの方が体験したアパルトヘイト時代の貴重なお話を伺うことができました。作品を適切に理解するために、時代背景や文化、当時の階級制度やジェンダーについて学ぶことで作家の表現した世界を受け止めることができます。これらの知識とともにこのゼミでは想像力、読解力・分析力に磨きをかけ、文学批評をするための視点を日々養っています。オンライン授業ではありますが活発に意見を交わし合い、協力してグループ発表をしたりと楽しく授業を受けています。 (市川さくら)

南アフリカのプレトリア大学の学生とスタッフを交えての発表とdiscussionの様子

 

 

 ◆4年次「イギリス文学」ゼミ(担当:溝口昭子先生)

4年のイギリス文学の溝口ゼミでは、自分の決めたテーマに関する卒業論文を書けるようになるために、1つのテクストを用いて、作品の読み方、文学批評の理解や批評論文の読み方、文献目録の書き方、資料の探し方、正しい文法を使用した論文の書き方を教えるゼミです。今学期はJames JoyceのDubliners の“Eveline”という作品を題材にしています。私は参考文献の書きかたや論理的に文章を書くことに不安がありましたが、図書館実習(図書館のWeb VPMを使用した資料集め)で資料を見つけ、それを正しいフォーマットで目録を作成するやり方や、自分の意見により説得力を持たせるために、他の論文の意見を言及しつつ論じる方法など論理的に書くことなどを実践的に学んでいます。先生の丁寧なご指導を受け、卒業論文の完成に向けて文章作成能力を身につけ着実に力をつけています。
また、フェミニズム批評や精神分析などの文学理論についても学び、文学理論を用いて作品を読む方法を含め、多角的な視点から作品を読解、分析していきます。また、ただ作品の内容を分析するだけでなく、描かれた背景や社会の状況などを含めて考える重要性を感じています。私は卒業論文ではKazuo Ishiguroの作品を扱う予定ですが、この作品の内容だけでなく、書かれた時代や社会状況など、作品をとりまくすべての要素を考慮して論文を完成させたいと考えています。(菅谷有紗)


◆「英語学」ゼミ(担当:野村恵造先生・塩原佳世乃先生)

英語学ゼミでは、YuleのThe Study of Language (7th ed.)を読みながら、言語の歴史や音声学、音韻論、形態論、統語論、社会言語学など様々な言語研究の側面を学んでいます。授業は学生による発表や先生による解説を中心に展開され、その中で言語学・英語学の基礎的な知識を習得し、卒業論文に向けて、各々関心のある分野を見極めていきます。英語学を学ぶ理由は人それぞれですが、留学を経て、言語を通じて見える文化の違いや英語特有の発音、文法、表現方法など英語という言語そのものに興味を持っている人が多いようです。英語そのものについての知識を深めることは、同時に英語に付随する文化や第二言語習得の在り方を考えることにも結びつきます。このゼミでは、深くそして幅広く英語について学んでいるのを実感します。  (関真衣子)

英語教育コース

◆3年次ゼミ (前期担当:鈴木栄先生)     

 

 

英語教育コース3年次演習では、春休み中から自分が英語教育のどのような分野に興味、関心があるのかを分析し、それをもとに卒業論文作成の土台を毎週コツコツとグループワークや論文発表会などを通じて固めています。一括りに英語教育といっても、ゼミ生が興味、関心のある分野は異なります。例えば、フィンランドなど、北欧諸国の英語教育制度・及びその内容について、日本との英語教育環境との比較を主に研究してみたいという学生や、教科書分析・成績評価方法など、日本の英語教育における課題を研究している学生、また、学習者のモチベーションや指導者要因についての分析など、その分野は多岐にわたります。このように聞くと、将来は全員が教職に就くと思われる方もいるかもしれませんが、実際には教職課程の履修者ではない学生もこのゼミに所属しています。一人一人が英語教育分野において高い意欲と関心を持ち、日々挑戦を重ねながら、研究に取り組んでいます。

そして現在、鈴木栄先生が担当してくださっている前期3年次ゼミでは、「論文研究発表会」「先行研究分析」「属性研究」「質的研究・量的研究」「アンケート分析」「データ活用方法の研究及びそれらを活用したグループワークディスカッション・プレゼン」「海外の学会視聴」など、これら7つを柱とした活動に取り組んできました。以下に授業内で実施した特徴あるそれぞれの活動を記載しました。

 ◎論文研究発表会・先行研究分析

英語教育分野に限らず、全ての研究を行う上で「自分と同じ類の問いを持った先人たちの研究」を分析し、その上で自らが新たに取り組むことができる余地はどこにあるのだろうかということを批判的に分析することは必要不可欠です。前期3年次ゼミでは、この先行研究分析について時間をかけてじっくり行い、グループワーク、発表を通じてクラス全員で各分野の研究を学び、積極的に質問を交わしながら、次に実施可能な研究内容はどの様なものがあるのか、または先行研究の結果を証明するための方法を見出すことができるかなど、文献に対する理解を深めました。また、卒業論文執筆を視野に入れ、先行研究は英語で書かれたものを読むことを意識的に行いました。具体的な発表テーマは「日本・韓国・フィンランドの英語教科書の設問の比較分析調査」や「動機づけ」、「効果的なフィードバックの方法」、「小学校における英語教育」などです。この先行研究分析を行う際は似通った分野に興味がある学生同士でグループを組み、各自が関連する論文を持ち寄るという形でグループワークを行いました。この活動を通じ、ゼミ生からは、他の学生と見解や着眼点が異なることを発見し、互いに刺激を与え合うことができたという意見が数多く見られました。(中川果奈)

◆「英語教育学と第二言語習得研究」ゼミ(担当:鈴木栄先生・森博英先生)

英語教育ゼミでは、卒業論文に向けてそれぞれが興味のあるトピックの論文を読んだり、それをまとめて発表したりしています。また、今までの授業では、学習理論を学んだり、モチベーション、英語学習におけるWillingness to Communicateについての理解を深めました。ライティングの授業でも英語教育に関するエッセイを書いているのでゼミでの知識が大いに役立ちます。自分が受けてきた英語教育や今の日本で行われている英語の授業を考察しながら、他国の教育と比べたり、これからの英語教育をどうするべきなのか、考えを深めることができます。実際に教員を目指している、また、教育関係に進みたいと思っている学生もいる一方で、第二言語習得の分野に興味がある学生も多いです。鈴木先生、森先生をはじめ、30人ほどの学生たちと日々学び、考えを深めています。(吉田朋華)

 

英語キャリアコース

◆「翻訳・活字メディア表象」ゼミ(担当:田中美保子先生)

英語キャリア・コースのトランスレーション・スタディーズ二つのゼミのうち、出版活字素材を扱う「翻訳・活字メディア表象ゼミ」では、「対照」の視点を軸に「言葉と文化」をめぐるさまざまな事象や課題を考えます。日本語と英語の対照分析や翻訳にまつわる諸問題の検討を行うことで、翻訳そのものや他言語への学問的な理解を深めるとともに、翻訳を通して英米の文学や文化・社会・歴史、ジェンダー思想、政治外交問題などについて考察します。

 私たち3年生は、まず、教科書を章担当ごとにまとめ上げプレゼンし、またディスカッションを通じてトランスレーション・スタディーズの基礎を習得します。教科書の内容は非常に難易度が高いうえ、現在のオンラインの学習環境による困難もありますが、ゼミの仲間とさまざまなツール(ZOOMやGoogleドキュメント、SNSなど)を最大限活用し、活発な意見交換や協働作業を行なうことで理解を深めています。そうした作業を通じて、翻訳が、活字として表されたあらゆる素材と関係していることを実感しました。また、人間のあらゆる行為について翻訳を軸に分析できる点で、大変奥深く魅力的な学問だと思っています。

 世界の様々な素材の比較により、各民族の文化の根底にある志向性や価値観を知ることができます。また翻訳実践による社会への影響を議論し、行動に落とし込むことで、多様な価値観や、一つのことがらを複眼的に見る方法を見つけ出す力を学ぶことができます。(佐藤七海)

◆「翻訳と活字メディア」ゼミ(担当:田中美保子先生)

「トランスレーション・スタディーズ」には、二種類のゼミがあり、学ぶポイントに共通点が多いので時々合同ゼミも行われ、教科書も共通のものを用いています。私はその中で、「翻訳と活字メディア」を主に学ぶゼミに所属しています。 

ゼミでは、元のテクストと翻訳された後のテクストを比較・分析し、どのような文化や社会、歴史、政治の影響を受けて翻訳が行われているのかを学びます。前期は、英語で書かれた翻訳研究の専門書(写真:表紙と目次)を手がかりに、翻訳をめぐる問題について皆で考えてきました。翻訳実習の授業で体験的に学んだことを学問的な知識として分析し深めるとともに、学問的知識が実際の訳だしのヒントになることもあります。つまり、ゼミでの学びは翻訳実践そのものや翻訳をめぐる問題を捉える基礎を固めてくれる、というイメージです。翻訳をめぐる問題は、文学作品や映画、芸術、ビジネスや日常生活、政治外交など、様々な分野にまたがるので、英語のテクストを読むときに「もう一つの視点」を与えてくれたり、自分の興味や得意分野を探り深める助けになったりしています。(伊藤恭子)

「通訳と音声メディア」ゼミ(担当:鶴田知佳子先生)

通訳ゼミは現場の第一線で現在も通訳士として活躍していらっしゃる鶴田知佳子先生のもと、20名のメンバーで活動しています。この通訳ゼミでは、“言葉と文化”に着目し、より実践的な英語の運用能力の定着を目標として、日々活動を行っています。例えば、日本で人気を誇るアニメ「ドラえもん」はアメリカで放送される際に、アメリカの文化に沿って変換され、主人公の大好物であるドラ焼きはアメリカ版ではピザに変わっています。このように、日本と海外の二つ以上の言語や映像を比較し、それぞれの国の文化やジェンダー思想、政治がどのように通訳翻訳に関与しているのかを学びます。

研究題目の例としてはコミュニティ通訳の役割や、これからの自動通訳の未来といった通訳に関する研究をはじめ、世界各国の映画や広告における言語と文化の比較などが挙げられます。世界の様々な素材を比較することにより、各国の根底にある文化や思考、価値観を知ることができ、多角的な視点から言葉と文化を学ぶことができます。(新保春乃)

「通訳と音声メディア」ゼミ(担当:鶴田知佳子先生)

英語が堪能であれば、通訳は出来ると思っていませんか?通訳とは、単に異なる言語をつなぐものではなく、異なる文化同士をつなぐ行為です。そのため、異文化理解が一つの重要なポイントとなります。異文化へ高い関心を持ち、まだ知らない新しい概念を受け入れ、それを自分の言葉で説明できなくてはなりません。そんな通訳の奥深さに心惹かれ、私はこのゼミを選びました。

担当の先生は、現在も通訳者として第一線で活躍なさっているため、授業時には通訳現場での最新のお話を伺うことができます。英語論文を使って学術的に学びつつ、実務家の先生に理論と実践の接点を解説してもらうことで理解を深めることが出来る、それがこのゼミの魅力です。

卒業論文・卒業研究としてはトランスレーションスタディーズの分野のなかで興味の有るテーマを選び論文を執筆する、もしくはバイリンガルガイドブックヤ動画の制作を行い成果物についての論考を仕上げる、その二つがあります。世界中の素材を比較すると、各国の根底にある文化や思想、価値観が見えてきます。翻訳と言う視点から検討を加えることで文化がいかに言葉に影響をおよぼしているのか、理解を深めています。(川原唯)

◆3年次 Professional English Seminar A  (Professor Mieko Kobayashi)     

Hello everyone. My name is Ye Eun Choi who is taking professor Kobayashi’s Professional English 演習A class in TWCU’s English department. As a student who has been taking this class this semester, I would like to introduce some of the useful advantages that I have learned from this class. Firstly, Professional English 演習A class is taught in English, so it is a perfect opportunity to improve your both speaking and listening skills. Moreover, in class, we practice how to analyze and summarize the long reading passages, which allows us to improve our reading skills. Secondly, in the Professional English 演習A class, you can participate in many group discussions and projects. By sharing and gathering information or opinions with classmates, you can learn how to cooperate and communicate with others. Lastly, by taking Professional English 演習A class, it can be the best learning experience to develop yourself as a global leader. For example, in Professional English 演習A class, we learn how global companies and businesses are providing an impact on our society. By learning this kind of information, we can train ourselves how to show one’s ability and be active in a global society. I hope you can improve your English skills and set a global mindset by taking Professional the English 演習A class in TWCU’s English department.         (Ye Eun Choi)

◆4年次ゼミ(担当: 鶴田知佳子先生

4年次通訳研究ゼミは、現場の第一線で現在も通訳者として活躍されている鶴田知佳子先生のご指導もと、“言葉と文化”に関する卒業論文の執筆に励んでいます。学生は論文もしくは、動画やガイドブックといった実作の製作とFinal Presentationという二つの選択肢から、卒業研究課題を選択します。卒業論文の主な題目としては、世界の言葉と文化の違いに着目し、漫画や書籍、映画、広告から、各国の文化やジェンダー思想がどのように通訳翻訳に関与しているのかを考察します。また、外国人観光客に向けた地域の英語ガイドブックの製作の様に、実際の社会や人々に役立つ実作製作に卒業研究として取り組むことも可能です。

現在は新型コロナウイルス感染対策の為、オンラインと対面授業のどちらも取り入れた柔軟な授業形態を展開。毎週個人またはグループ発表を行い、教授やゼミメンバー間での意見交換を通して、全員が一丸となって卒業論文の完成を目指します。 (新保春乃)