東京女子大学 現代教養学部 国際英語学科 国際英語専攻

 挑戦する知性 教育改革プロジェクト2018年度後期スタディ・ツアー
「イギリス現代ファンタジー文学ゆかりの地を訪ねる」2019.3.19-25

 国際英語学科教授 田中美保子

イギリスのファンタジ一文学は、特有の風土や歴史意識と想像力が生み出した「イギリス性」に溢れた文学形式である。その背景と風土を体験的に捉える機会を提供するために、このスタディ・ツアーでは、代表的な作品ゆかりの土地や舞台10数か所を訪れ、現地在住の児童文学者や作家の娘さんたち計4名に生のお話をうかがった。参加者は、樹木や草の緑に水仙やハリエニシダの黄色が舷しい早春の風畏の中、訪れる先々で物語の世界を目の当たりにし、自分がファンタジーの登場人物になったような不思議な実感を昧わう醍醐味を満喫した。

現地には5泊した(OxfordのMagdalen College学寮2泊、Cambridge郊外のHemingford Grey村の民宿2泊、Ashdownの森近くのホテル1泊)。往復に夜間便を利用することで、この旅程内で多くの場所の訪問と活動が可能になった。いずれも密度の濃い体験であったが、圧巻は築900年のポストンの「グリーン・ノウ」館で聴いたghoststoryと、ピアス作品そのままに13時を打つ時計だった。事前に多くの作品を頑張って読破した参加学生14名は、訪れる先々で「appreーcreativeな学生たち」「話をするのが嬉しくなる態度」と言われ、企画・引率者としても安堵するとともに、とても誇らしく思った。学生を快く受け入れてくださった現地の方たちのご厚意と、参加者に体調不良も事故も皆無だった幸運とに心から感謝します(詳しくは本学公式Facebookの報告と写真をご覧ください)。


 
『トムは真夜中の庭で』のピアス宅前で娘さんと愛犬とともに。