東京女子大学 現代教養学部 国際英語学科 国際英語専攻

「ミャンマー学びの旅」に参加して 
東京女子大学国際英語学科1年 橋本美代子

東京女子大学に入学して初めての夏休み。2018年8月7日~15日までの9日間、私は他大学の学生8人と一緒に、スタディツアー「ミャンマー学びの旅」に参加しました。

大学入学を機に新しいことに挑戦してみたいと考えた折に、国際英語学科の安部由紀子先生がこのプログラムを紹介してくださいました。すぐに親と相談して、参加することを決意しました。とはいえ、私は国際関係を専門的に学んでいるわけでもなく、ミャンマーという国について何も知りません。それに加え、初対面の人達と海外に行くという緊張もあったため不安だらけの出発でした。しかし、実際に行ってみると悩む暇もないくらい濃い9日間が待っていました。

現地に到着して最初は言葉が通じないが故に現地の人との壁を感じました。特に初めの数日間は、観察者と観察対象者のように自分と現地の人の間には強い違和感がありました。現地の子供達と「チンロン」というミャンマーで人気のスポーツを楽しんだ時、市場でジェスチャーを使って現地の人に値切り交渉をした時、言語の壁を越えられた瞬間がありました。SNSなどで簡単に人とつながれる時代ですが、ミャンマーに行き、こうした経験ができたことでコミュニケーションの本質が垣間見えたような気がしました。

 一緒に参加した同世代の仲間達からも刺激を受けました。私は高校時代、部活と勉強に追われる日々で、大学受験後も将来について考えず、何となく何かが決まるだろうと思っていました。しかし、ミャンマーに一緒に行った仲間たちはそれぞれ大きな夢を持っていました。その夢に向かうためのプロセスも描いていました。そのような仲間と一緒に過ごしていく中で、のんびりと学生生活を送っていた自分に焦りを感じ、自分と向き合うようになりました。

私はこの仲間たちと会っていなかったら、今でも現実や将来から逃げていたのではないかと思います。ミャンマーについて知ることは勿論、自分とも向き合うことができた有意義な時間でした。

この旅はNPO法人「人間の安全保障フォーラム」*と連携したもので、引率責任者の滝澤三郎先生(国連UNHCR協会理事長、東洋英和女学院大学客員教授)をはじめ多くの方に支えられていました。それはこの旅の大きな魅力でもありました。友人と観光で行っても、それはそれで自由に楽しむことができたでしょう。しかし、それでは日本人から見たミャンマーの姿しか見ることができません。私たちは、滝澤先生のネットワークのおかげで、ミャンマーの国会議員、在ミャンマー日本大使館の丸山市郎大使、難民問題を専門に扱う国連機関・UNHCRミャンマー事務所の黒田祥子氏、国内避難民(国境を越えず国内で自宅から離れて避難生活をしている人)、軍事政権時代に日本に庇護を求めたことがある元難民の方など、様々な立場の方からミャンマーにつて話を伺い、現場を訪れ、感じることができました。それは、難しくて、複雑で、正直私たち学生にとっては別世界のようでした。しかし、それでも良いのです。実際に行動に移して、知ることができた事実だからです。

最後に、ミャンマーに行って、一番感じたことは「無知」の恐ろしさです。「無知」であるが故に、どれ程狭いコミュニティの中で物事を考えていたのか、といことを改めて思い知らされました。知ることで世界を広げ、新しい発見をする。これは学びのアプローチであり、人間が昔からしてきたことです。この旅を通して、こうした考え方が出来るようになったことは19歳の私にとって大変意味のあるものになりました。

このような機会を与えてくださった滝澤先生をはじめとする皆さま、そして紹介してくださった安部先生に感謝しています。

 人間の安全保障フォーラム
東京大学大学院総合文化研究科の「人間の安全保障」プログラムの教員・学生の有志が中心となり、日本で初めて「人間の安全保障」を実現するための活動を行うNPOとして2011年4月よりスタートしている(人間の安全保障フォーラムホームページより)


ミャンマー人気のスポーツ「チンロン」に参加させてくれたシャン州地元の若者たち。
筆者は前列右端。©️
中沢賢治


特定非営利活動法人「ジャパンハート」にて、訪問させて頂いた感謝の気持ちを込めて
歌をプレゼント©️中沢賢治



英語で現地をガイドしてくれたシャン族の男性(左)と筆者