東京女子大学 現代教養学部 国際英語学科 国際英語専攻

TOKYO2020オリンピック・パラリンピック業務に関する報告

4年生 新保春乃

2021年8月から9月の2か月間、羽田空港にてオリンピック・パラリンピックの業務に携わりましたので報告いたします。

仕事内容

①オリンピック・パラリンピック選手のバス輸送
→羽田空港に到着した海外の選手をご案内し、バスに誘導し、既定の時間にバスを運行する業務

②海外から仕事でオリンピック・パラリンピックのために来日した企業の方々のご案内
→競技の計測を担っている企業の社員の方や、リポーター、会場アナウンサー等、沢山の方々をそれぞれのホテルや目的地まで乗せる車にご案内

羽田空港到着ロビーでのお出迎えから始まり、人数や名前の確認、行先やホテル名の確認といった作業から、乗っていただく車の手配とドライバーさんとの連絡を担当

 この業務に携わることが出来たきっかけ

私は大学1年生の夏から現在にかけて、羽田空港の旅行サービスカウンターにてアルバイトをしています。普段の業務は羽田空港内のカウンターにて、旅行客の皆様のご案内と搭乗券のお渡しをしていますが、今回TOKYO2020のオリンピック・パラリンピックにアルバイト業務の一環として携わらせていただきました。

 業務の中で心がけたこと

①よく使う英語のフレーズ(例えば「これからバスへ移動します」や「あなたの下りる場所は2つ目のホテルです」)や、予めお客様から質問されると予想できる事に関しては、英語でどのように返事をしたらよいのか考え、事前にメモに残し、現場で焦ってしまわないよう心掛けました。
②選手それぞれの立場になって考え、行動することを意識しました。何十時間ものフライトと、厳重なコロナ対策を経て疲れを感じている選手や、車いすに乗ったパラリンピック選手等、本当に沢山の方々とお会いしました。段差がある場所では車いすの方をどのようにサポートしたら良いのかというように、人それぞれの状況に合わせてどのような事が自分には出来るのかを、考えて行動するよう心掛けました。皆様とても優しく明るく対応してくださる方が多く、とても印象に残っています。

③今回は、航空会社の方や荷物輸送会社、警備員さん、バス・トラックのドライバーさん、他の旅行会社の方々など、沢山の人と同じ情報や意識を共有して、連携しながら業務に当たらなければいけなかったため、自分勝手な行動や判断を慎み、人と密にコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。

実際の業務の中で英語を使ってみて感じたこと

今回のオリンピック・パラリンピック業務では、海外から来日した方をご案内するため、英語を話す機会が非常に多くありました。実際の業務の中で、英語を話す経験をし、嬉しかったことと難しかったことがそれぞれあります。

・嬉しかったこと→自分の話す英語が、選手や企業の方に伝わり、その方々のお役に立てていると実感できた瞬間は自分の中でとても嬉しかったです。特に、ご案内をした選手に“Thank you”と言っていただきながら笑顔でハイタッチしたことが、1番嬉しかった思い出です。7か月間の留学から帰国して1年以上の期間が空いてしまったため、本当に自分の英語力が実用的な業務に通用するのかが以前はとても不安でした。しかし、実際の業務において英語の通訳を任せていただける機会が多くあり、その中でたくさんの外国人の方と接し、英語でのコミュニケーションが円滑に成立した事や、自分の英語がしっかりと相手に伝わっていることを実感できたときは、非常に嬉しく思いました。大学生活において身に着けた英語力を、他者のために役立たせることのできた今回の業務はとても貴重な経験です。

 ・難しかったこと→現場では嬉しい事ばかりではなく、反省する事も沢山あります。例えば、大勢のオリンピック選手団の前で、英語で指示を出さなければいけない場面がありましたが、頭の中を整理することが出来ないまま英語を話し出してしまったため、全く上手に指示を出すことが出来ませんでした。これに関して、どんなに急いでいたり、緊張をする場面でも、何をどのように伝えたら聞き手にとってわかりやすく伝えられるのかを、しっかりと頭の中で考えてから言葉を発することの大切さを実感しました。

 東京女子大学の授業で習ったここが活かせた

東京女子大学の国際英語専攻の授業では、人に伝わりやい英語やコミュニケーションの方法について学ぶ機会がたくさんあります。私が実際に履修したパブリックスピーキングや、通訳演習の授業では、実際に授業内で英語を話す機会が多く、これらの授業で得た学びや経験を今回のオリンピック・パラリンピック業務の中で活かすことが出来たと思います。

また、その他にも世界の歴史や文化について学べる授業も非常に多く、多角的な視点から異文化を理解し発信する力を養える点も、国際英語専攻の魅力の一つです。

1,2,3年生の皆さんは、新型コロナウイルスの影響で、留学や外国人と接する機会を得ることが非常に難しく、もどかしい思いを抱えている方も多いと思いますが、少しでも実用的な英語を身に着けてみたいという方は、是非たくさんの国際英語専攻の授業を履修してみることをお勧めします。授業等で培った英語力は、今後必ず活かすチャンスがやってくると思うので、勉強を頑張ってください。

 最後に

一国を代表するオリンピック・パラリンピックの選手団を間近で見て、関わることができたこと、またこれまでの大学生活を通して学んできた英語力を、実際のお客様とのコミュニケーションに活かすことが出来た今回のアルバイト業務は、とても貴重な経験となりました。今回このような貴重な経験をさせていただいた、アルバイト先の方々に感謝申し上げます。また、沢山の方々の支えによってこれまで培う事の出来た英語力を、今後も活かすことが出来るよう、努めていきたいと思います。