吉野 由起 准教授 Yuki YOSHINO
英文学、文化
ロマン派期の詩と小説、ブリテン諸島における妖精物語の変遷の通史的研究、自然の表象、物語の脇役論、というテーマに関心があります。
古今東西各地の文化圏で、日夜さまざまな物語が生まれ、受容され続けています。言葉を持たない動物の世界にもルールやコミュニケーションは存在するといわれますが、彼らの世界に詩や物語は存在するのでしょうか?物語は人間の根源的な欲求や、普遍的な営みの一つといえるでしょうか。
授業では19世紀英国の作品などを扱いますが、上記の問いを意識の片隅に置きつつ、風雪を耐えた作品が時に放つ新鮮さ、意外な身近さなど、驚きや発見を皆さんと共有できればと思います。
現代の言葉や価値観に連続しつつも、わかりやすく書かれているわけではない対象を原典で読み解く作業には、時間がかかり、もどかしく感じることもあるかもしれませんが、未知の現象を理解し、新たな発想を生み出す力を育てる端緒になればと願っています。